介護職員処遇改善加算Ⅰをとろう(キャリアパス要件)
ご存じのとおり、平成27年4月より介護保険法が大きく変わり、介護職員処遇改善加算も3区分から4区分に変更になりました。
新区分Ⅰの要件についてあらためて見ていきましょう。
次に掲げる基準のいずれにも適合すること。
(1)介護職員の賃金改善に必要な見込み額が同加算の算定見込み額を上回る計画を策定し、計画に基づいた適切な措置を講ずる
(2)(1)の賃金改善計画、計画に係る実施期間及び実施方法、その他の介護職員の処遇改善の計画などを記載した介護職員処遇改善計画書を作成。全介護職員に周知し、都道府県などに提出。
(3)同加算の算定額に相当する賃金改善を実施
(4)事業年度ごとに介護職員処遇改善に関する実績を報告
(5)算定日が属する月の前12月間において、労働基準法など労働に関する法令に違反し、罰金以上の刑に処せられていないこと
(6)労働保険料の納付を適正に行っている
(7)(一)次の基準の全てに適合すること
a 介護職員の任用における職責または職務内容などの要件を定めている
b aの要件について書面をもって作成し、全介護職員に周知
(二)次の基準の全てに適合すること
a 介護職員の資質向上に関する計画を策定し、計画に係る研修の実施など
b aについて全介護職員に周知
(8)2015年4月から②の届け出の属する月の前月までに実施した介護職員の処遇改善の内容(賃金改善に関するもの以外)及び介護職員の処遇改善に要した費用を全職員に周知
です。
特にポイントとなるのは、上記(7)いわゆるキャリアパス要件ではないでしょうか。
このキャリアパス要件について詳しく見ていきましょう。
キャリアパス要件には、①と②があります。
①職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること
②資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設けること
【職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備】
当事務所の場合、役割等級表として、等級、定義、代表職位、職責、主な任用要件、滞在年数(目安)を作成し、キャリアパス規程として、就業規則の別規程として作成しております。
賃金体系としては、各等級ごとに上限下限を決めて賃金表を作成しております。
手当に関しては、賃金規程に各種手当ての定義、対象者と金額を書いております。
そして、労働基準監督署へ届出をしております。
【介護職員の資質向上に関する計画を策定し、計画に係る研修の実施など】
「介護職員との意見交換を踏まえた資質向上のための目標」としては、とくに決まりはありませんが、Q&Aでは、
① 利用者のニーズに応じた良質なサービスを提供するために、福祉・介 護職員が技術・能力(例:介護技術、コミュニケーション能力、協調性、 問題解決能力、マネジメント能力等)の向上に努めること。
② 事業所全体での資格等(例:介護福祉士、介護職員基礎研修、居宅介 護従業者養成研修等)の取得率向上
が例示されております。
また、「実現のための具体的な取り組み」としては、名古屋市の場合、「資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等を実施するとともに、介護職員の能力評価を行う。」を選択した場合は、計画を添付する必要があります。
この計画も特に決まったものはなく、上記のQ&Aによれば、職員のキャリアや業務の妨げにならないように配慮しながら、研修テーマと受講者および研修時期を定めて計画表を例示されております。
また、能力評価の方法としては、Q&Aによれば、個別面談や、自己評価に対し先輩職員・サービス担当責任者・ユニット リーダー・管理者等が評価を行う手法が考えられる。とされております。
続きは次回とさせていただきます。