戦略と戦術の違い、目的と目標の違い、
お客様とお話しをしている際、気をつけて話しをしていることがあります。
また、お客様のお話しをお聞きしており、自分の中で理解するために置き換えていることがあります。
それは、戦略と戦術の違い、目的と目標の違い、目的と手段の誤認
です。
来年の経営方針や営業方針など、あらゆることを考える際に、上記の3つは常に意識して混同しないようにしております。
また、お客様のご相談を受ける際に、本質をできる限り知りたいので、発せられた言葉から、上記の3つを意識して質問をするようにしております。
では、これらの定義を始めに考えたいと思います。
戦略と戦術の違いです。
もともと戦争からでた言葉だと思うのですが(違っていたたすみません)、私の感覚では、
- 戦略とは、戦う相手と対峙する前に戦い方(勝ち方)の作戦のこと
- 戦術とは、戦う相手と対峙した際(交戦となった際)、現場レベルで戦い方(勝ち方)の作戦のこと
との理解です。
実際の経営の現場で考えてみましょう。
昨今は、どこの介護事業所でも人手不足に悩まされております。
今後、10年間で、日本の人口減少により、現在より介護職員が約38万人不足するとのデータが出ております。
人口減少は、ほぼすべて15~64歳のいわゆる労働力人口の減少となりますので、今後は、今以上に採用が難しくなることを意味しております。
そのような状況において、どのように職員を確保したらよいでしょうか。
戦略と戦術です。
このような場合、戦略とは、
- 経営方針(どのような事業所を目指しているのか)から、どのような人材が今後必要になるのかを明確にし、
- 自社の「機会(事業機会)」・「脅威(事業脅威)」、「強み」・「弱み」の4つの要因をクロス分析(いわゆるSWOT分析)をし、
- 自社の魅力はどこにあるのだろうかを具体的に抽出し、
- 中期経営計画に落とし込む
プロセスとなります。
これは、相手(この場合は、求職者)と対峙する前に立てる作戦ですね。
戦略をしっかり立ててから戦術を考えることとなります。
この場合の戦術とは、例えば、
- 求人媒体はどこにするのか
- どのように訴求ポイントを文書化するのか
- 写真は載せたほうがよいのか、その場合、どのどうな写真が訴求ポイントとなるのか
- 在職者の声は載せたほうがよいのか、その場合、どのどうな文章が訴求ポイントとなるのか
- 新卒か既卒か
- 求める年齢を絞るのかどうか
などといった、相手(求職者)と対峙した際に立てる作戦です。
よくありがちなのは、戦略と戦術の違いを考えずに、良いと人から聞いた方法(ノウハウもどき)にすぐに飛びついて、同じ様な手法をとってしまうことです。
同じ手法であっても、戦略からブレイクダウンしている事業所とそうでない事業所では、結果は大きく違ってきます。
かりに、多くの職員を採用できたとしても、経営方針から計画的に採用した職員ではないため、すぐに辞めてしまうこととなります。
そうなると、やはりすぐに人手不足となってしまい、常に、莫大な費用を求人広告にかけ続けることとなります。
目的と目標の違い、目的と手段の誤認については、次回記載したいと思います。