目的と目標の違い、目的と手段の誤認
次は、目的と目標の違いです。
この定義は、場面や立場によって異なりますので、経営における目的と目標について考えたいと思います。
ドラッカーの『現代の経営』によると、
「企業とは何かを問われると、たいていの企業人が利益を得るための組織と答える。たいていの経済学者もそう答える。この答えは間違いであるだけでない。的外れである」
「事業の目的として有効な定義はただ一つである。それは、顧客を創造することである」
と書かれております。
従って、利益とは、目的を達成するために活動した結果であるといえます。
そもそも、企業活動ができているということは、社会の役にたっているからです。
社会の役にたっていない会社は、活動することはできないのですから。
この場合、社会とは顧客のことです。
従って、顧客の創造とは、今以上に社会の役にたつように成長することなのだと思います。
話しはずれましたが、では目標とは何なのでしょうか。
顧客の創造をするために、経営理念を作成します。
経営理念とは、わが社が社会に存在する意義です。
顧客の創造といってもすべての対象者を顧客にすることはできませんし、顧客にしたいターゲットが会社ごとに異なっているので、わが社の存在意義を明確にしないといけないのです。
そして、理念からビジョン、方針、目標、戦略、計画、アクションプランとブレイクダウンされてきます。
ここに、目標という言葉が出てきました。
この場合の目標とは、方針を具体化した指標です。
例えば、売り上げ○円、経常利益○円、または、わが社のなりたい姿をわかりやすい言葉で書いたりします。
今期の経営目標は○○!と張り紙が掲げられている事業所もありますね、しかし、今期の経営目的は○○!とは言いませんよね。
従って、目標とは、目的を達成するための各段階で決めた指標であるといえます。
では、目的と目標の違いはなんでしょうか。
ひとことで言ってしまえば、
- 目的は、決して終わりのないずっと追い続けるもの
- 目標は、決めた指標であり達成すべきもの
なのではないでしょうか。
次回は、目的と手段の誤認についてです。